material glanceには いくつか少しづつ違う術のシリーズがある
箱や額縁のなかに部品をいれる「箱入り娘」のシリーズに
{sugar game}と名付けた函がある
固定された部品とそうでない部品があり 動かすと配置が変わる
動く部品は 薄紙に包まれた角砂糖達
箱を揺らして 配置を変えると オハナシができてくる
そんな要素を言葉といっしょにしたノートを「&」の最初の号に作る
旧い写真を眺めて 一部をコラージュ用に切り出したりしながら
それだけではなにかしら満たされないと感じて
自分にとって新しい眼のことを同時に考えたりもしながら
ひとつの作業は 常に次の要素への憧れと期待を生む
それがうれしいことでもある
時間の経過で material glance の部品達のさまざまだった質感は
均一なフィルターをまとうようになっていく
色褪せたり 黄ばんだり 埃だったり
旧い写真に写っている当時の瑞々しいような部品達
どれもこれも大切で ひとつひとつをよく覚えている
切ないようなフィルターをまとった部品は痛々しくも眼に写る
こんなにも時間が経ったのだと気づく
モノは変わらない 自分も変わらない
モノは変わる 自分も変わる
{sugar game}を揺らしながら
今のこの時間に自分ができる次の術のことを考える