なにかしら箱とか封筒とかあると内側をのぞきこみたくなる
糊どめされた名残りの跡とか
テープを剥がしてめくられた表面とか
パッケージの情報の印字された数字とか
そういった要素を眺めているとうれしくなる
そんな風な前置きのような要素がある画面に
線をのせたり コラージュをするのは手も気持ちも楽に動く
すでに用意されている要素になにができるかと考えるのは楽しい
以前に新しいカンバスを毎日毎日 眺めては
(起きると目の前にたてかけてあった)
真っ白な画面への緊張感に押しつぶされそうだった
なんにもできなくて
自分のなんにもなさに溜息ばかりついていた
それでもなにかしら表面へのアクションをすることができると
次はカンバスをひっくりかえして 裏側に描く
木枠がファインダーのようにして画面を囲んでいるそこに描くことは
最初の緊張感とは違って 気楽でラフになれる作業だ
両方のこと 緊張があるからこそ 解放される
どちらもが必要なのだとわかっている
陽射しが気持ちよくなってきたら
新しいカンバスをたてかけようって思ってる