日々のことを書きとめる術をきちんと持ちたいといつも考えてる
でも 罫線に感情を閉じこめるようで日記を書くのは苦手だ
二十代のときは書きとめたいことを財布のレシートやガムの包み紙や
お店の紙ナプキンに書きこんで それをポケットにためて
少したまるとあっちこっちの紙箱にいれておくというのが楽で好きだった
何年も後になって こんなところに入ってると発掘したり
ブログという術を知ったとき 試す気持ちでやってみるとしっくりときて
旧いテンプレートを変えもせずに日誌を十五年間書きとめてきたけれど
この二年くらい制作サイトの構築をしようとしては中途半端に放り出し
その余波といった按配で ブログの日誌もこの一年半くらい気持ちが
ぷっつりと切れてしまって書くことをせずにいた
ファインダーをのぞくこと(それは私にとって眼の訓練だ)もしなかった
できなくなっていったのだ
それでも日々は過ぎ 現実の出来事に対応をするだけで電池切れになっていく
日々のできごとは日めくりの裏にせめてと思いメモをしているけれど
それはただの備忘録で懐かしく読み返すようなものではなく 時折そのメモを
一日の終わりに書くのも億劫で 一週間くらい書かないこともしばしばだった
空白の日めくりの裏を見ても もう一週間前に何をしていたかも思い出せずで
書いても書かなくても気持ちは下降していく
書くことは大事で好きな術だったはずなのに
去年の冬のはじまる頃 雑誌の連載のための制作をという依頼をもらって
これはいい機会だと思い 制作サイトの構築をもう一度という気持ちになり
ワールドプレスの管理画面を久しぶりに開いてみると
ノウハウのないわたしでもなんとか頁を構築できそうなツールになっていた
それでも作業は こんな風にできたらいいのになと
試しては?となり一歩進んで二歩下がる的だ でも楽しい作業だ
以前のテキストを読み返したり写真を見直しながら少しづつ整理して
頁ができてくると読み返すことができるのはうれしいことだなと思えた
そんなうちに 日々の曖昧だったりささやかな気持ちだったりも
読み返すことのできる形にできたらなと思い 日誌的な頁も構築してみる
二十代のときの小さな紙きれに書きつけていた時のように
そんな按配くらいの気持ちでこの小さな新しい頁を書いていけたらいいなと思う
ある形にまとめあげたいとずっと思っている写真の一群の作業も始めたい
そしてまた 新しい眼で
ファインダーをのぞくことのできる日がやってくることを願って
新しい年の朝に / 01012020