起き出して
そのまま防湿庫からD200をひっぱりだした
はっきりしない頭で 薄暗い部屋にいる慈雨をファインダーでのぞいてみた
ピントなんてあうわけはない ぼけぼけぽけぽけな結果が液晶に写る
でも そんなことはどうでもいいことなのだった
ファインダーで見たかった それだけなのだ
カメラのちりっというピントの音に慈雨の耳が動き 視線がこちらを向く
カメラの重さは懐かしい重さで手に心地よく
ファインダーのなかの風景は いつもの朝でいつもの部屋なのに
楽しかった 眼が
わたしの眼は縦眼で 横位置はどうにも落ち着かない
だから横位置で風景を撮るようなことがあまりない
でも 「猫景」 なら横位置もありだと思えたのも新鮮だった
猫は風景のなかに上手にいるものだなぁ なんでだろか 四つ足だからかな?
ミラーレスを買おうかなってちょっと考える最近(久しぶりにカメラ売場に出かけたせいだ)
でも ファインダーに写るそれは実物じゃないんだものなぁって
浦島太郎的な頭の自分に苦笑してしまう
売場で見たインスタントカメラの小さな判型の印画紙もよかったな 小粒な視線として
一眼で撮ったスナップをiPhoneに落として インスタントカメラの印画紙に印刷して
大昔の小さな判型の写真帖のように仕立てる ちょっとやってみたい
(なんてまわりくどい作業だ とも思うけど)